英会話は学校で習ったように言わなくても良い

英会話は最小限で考えると楽になる

 

例えば、レストランにてトイレの場所を聴く際には

 

Could you tell me where the bathroom is?
お手洗いがどこにあるかを教えて頂けますか。

 

これは教科書通りの最高級に丁寧な訪ね方です。

 

ところで、

 

Bathroom?
トイレは?

 

こちらはぶっきらぼうな問いかけです。

が、トイレの場所を教えて貰うという目的は達成されます。

 

で、思い返してみると、実は日本語でもこれに似た訪ね方をしています。

 

すみません、トイレは…。

 

という風に、全てを言葉に出していないにもかかわらず場所を教えて貰うことができます。

英語にするとこんな感じでしょうか。

 

Excuse me, bathroom…?

 

 

丁寧であっても、ぶっきらぼうだったとしても、目的はトイレの場所を聞くことです。

 

 

教科書英語は美しい。でも堅苦しい

 

私は、英語を勉強し始めた中学生以来、

「文法を間違えずに使いたい」

「綺麗な発音で伝えたい」

と考えており、仕事で初めて渡米した時も強烈にこれを意識していました。

 

 

 

初の米国出張は3週間の滞在で、1週目も2週目も「文法を間違えたくない」との思いが強すぎて、残念ながら殆ど喋っていませんでした。
ちなみに、これは2010年10月の話です。

 

ただし、文法を間違えたくないと思っていても仕事を進めるためには伝えなくてはいけません。

 

なので、頭の中で文章を作り上げてから喋り始めたり、発言し終えてから間違いに気づいて訂正して発言し直したり、やるべきことが多い中にも私の発言にはかなりの時間を割いていたと思います。

 

しかも2週目に入ると、発音と文法をガチガチに意識するあまり、意思疎通に息苦しさを感じ始めていました。

 

夕食に連れて行ってもらっても同じ調子です。
自分で自分に足かせしているようなものですから、会話がなかなか弾みません。

そもそも当時の英語力はTOEIC 400点中ほどでしたので、流暢にはいくはずもありません。

 

喋りたい
間違えたくない
でも喋りたい
やっぱり間違えたくない

 

この繰り返しによって強烈に葛藤していました。自分と戦っていました。

 

 

ところが、2週目の金曜日に転機が訪れます。

 

その日も、間違えたくない自分が常に優位にあり、流石に2週間も喋れていないことに対してかなり焦りを感じていました。

 

何とかしなくては…と、思いつつも、やはり文法と発音に拘ってしまう自分に正直なところ疲れていました。

 

そして、席を立ってトイレへ行こうとした時に、まさに冒頭の「最小限で考えると楽になる」の体験をしたのです。

 

 

店員さんを見つけ、

近寄りながら頭の中で英文を組み立てて、

トイレの場所を聞こうとした瞬間!!

 

 

 

 

 

 

「ああーーー!!!!もう考えるの疲れた!めんどくさーい」

「めんどくさーい」

「めんどくさーい」

「めんどくさーい」

 

と、それまで抑え込まれていた『ものぐさ自分』が暴発。

 

半分投げやりになったワタクシは、これでいけるなかと思いつつ最も単純な方法で話しかけました。

 

Excuse me, bathroom?
すいません、トイレは?

 

Go straight down there and take a right. It's on your left!
真っ直ぐ言って右に曲がると左側にあるよ。

 

オッケー、ありがとー。

 

 

 

キターーー(゚∀゚ )ーー!!

 

やっぱ、Bathroom 一単語で大丈夫じゃん!!

しかも、なに?この感覚は?!?

 

と、それまでの「こだわり」から解放され、歓喜雀躍!

 

席に戻った私は「とりあえず喋る。短く喋る」の思いに立ち、どんどん会話をし始めたのでした。

 

何を喋ったかは全く覚えていませんが、とにかく喋りました。

 

こだわりを手放すと進み始める

 

滞在最終週のいつ頃だったか、いつも迎えに来てくれる夫婦から車中でこう言われました。
(お二人とも同じ会社に勤務してました。)

 

夫人:そういえばアンタ、今週に入って急に喋るようになったね!

夫:先週までがレボルバーなら今はサブマシンガンやぞ。

 

そうッスか?そうッスよね!

自分の中の「こだわり」というリミッターを解除できた気がして、とにかく喋り始めたところにこの嬉しい一言!

 

渡米まえ以上に英語が楽しくなった瞬間でした。

 

結論。丁寧に喋れなくてもいい。短く喋っても意外と通じる。ということです。

 

以上