「Baby in car」は「かわいこちゃんが乗ってます」って、ホント?

車に貼られている「Baby in car」のステッカーは何のため?

頻繁に見かける、車に貼られた「Baby in car」のステッカー。

「赤ちゃんが乗ってます」の意ですが、ステッカー製造者の意図としては必ずしも赤ちゃんを乗せる人向けではなさそうです。

 

ホントは「かわいこちゃんが乗ってます」…へー、そうなの?

ある日の夕方、来日した米国のお客さんを宿泊ホテルへ車で案内する際にこんな会話がありました。

 

Oh, that's the same sticker we had in US before.
おお、前にアメリカにあったのと同じステッカーだ。

You said you HAD?
"あった"って言った?

Yep, we had that quite long ago. But ours says "Baby on board"
そうやね、かなり前に。「Baby on board」だけどね。

Oh, that is from US. Do you know the purpose?
アメリカ発祥なんや。目的何か知ってる?

No idea, but I guess the origin was, young girl used as "Hey, there's a babe driving on this car"
わからんけど確か最初は若い娘が「かわいこちゃんが乗ってます」って感じで使ったのが始まりだったような。

 なるほど、あり得る話ですね。

 

「他のドライバーに対して安全運転を奨励するため」らしい

やっぱり気になるのでグーグル先生に聞いてみたところ、下記の様な情報がありました。

 

1:他のドライバーに対して安全運転を奨励する役目がある。

※道路標識的な役目をするという事でしょうか。

 

2:赤ちゃんや小さな子供を乗せた車が事故に遭った際に、救助隊員にその存在を知らしめる役目がある。

※救助隊員が「赤ちゃんが乗ってます」を基に救助活動するのはあり得ないことですのでこの論の正当性は皆無です。

 

3:イギリスにて2千人のドライバーを対象に調査を行ったところ、子供が車に乗っているかどうかに関わらず親の46%がステッカーを表示していた。


しかし、交通事故の20件に1件の割合で事故の直接の原因とされていることがわかり、ドライバーの視界を妨げるステッカー貼り付けるべきではないとしている。

 

※この調査に関しては、いつ・どこの機関がこの調査を実施したかが明記されていないので真偽は不明ですが、視界を狭めてしまうような場所へステッカーを貼るべきではないというのは当然ですね。

 

英語の原文はこちらをどうぞ。

 

このステッカー開発の歴史に関して

オーストラリアのNRMA(Naional Roads and Motorists' Association Limited)のサイトにはこう書かれています。

 

米国マサチューセッツ州の不動産投資家が、1984年に生後18カ月の甥っ子を初めて車で家まで送り届けた際に、周りの車の運転マナーの悪さを見るにつけ、子を持つ親の安全運転に対する気持ちを初めて理解する経験をした。

 

一方で、同時期にヨーロッパで流行っている車窓用の安全標識がそこそこ良い商売になっていることを知人から教えてもらい、それが米国でも成功すると考えた。

 

投資家はSafey 1stという会社を設立して「Baby on board」を作成し、9カ月で50万枚を販売するに至った。

 

Safey 1stによると、「Baby on board」は他のドライバーに対して「若者が運転する車」に注意を促すことが目的とされている。

 

英語の原文はこちらをどうぞ。

 

まとめ

ステッカーを開発した人物が感じた、子を持つ親の安全運転に対する気持ちを初めて理解したという経験からするとBabyは「赤ちゃん」ということになり、当に「赤ちゃんが乗っています」となる。

 

しかしながら、イギリスにおける調査結果「子供が車に乗っているかどうかに関わらず親の46%がステッカーを表示していた。」から考えると、「赤ちゃんが乗ってます」を掲げていたとしても赤ちゃんが乗っていない可能性がある。

 

ステッカーを製作している会社によると「他のドライバーに対して安全運転のために注意を促すのが目的」とのこと。

 

過去の事故で赤ちゃんが乗っていたが救助隊に気付かれず放置され死亡してしまったために救助の際の目印とするようになったという都市伝説がいくつかのサイトで見受けられましたが、製造者がいうのであれば「他のドライバーに対して安全運転を奨励する」というのが真の目的のようで、その車に赤ちゃんが乗っているかどうかはステッカー購入者によるということになります。

 

 

以上