もう二度と会うことは無い場面でも別れ際の挨拶は「See you」?

もう20年も前の話ですが、ある日の夜中2時頃だったと記憶しています。ハラハラした体験なので未だに覚えてます。

※追記:日記を確認したら2000年6月17日でした。

 

オーストラリアのサーファーズパラダイスという街のバーボンバーというナイトクラブにて友人と一緒に楽しんでいた私は、翌日の仕事が5時出勤であったため一足先に帰ることにしました。

※観光ビザでは不可ですがワーキングホリデービザであれば就労が認められています。

 

暗がりを一人とぼとぼ歩いていると、向こうから17、8才のオージー(オーストラリア人のこと。)が真っすぐ自分のところへ近寄ってきました。

 

出くわした場所は、観光客向けの商店街を抜けた辺りの遊休地で民家は数百メートル先、周りをちらりと見渡すと遠くのガソリンスタンドが辛うじてぽつんとを明かりを灯す程度でした。

 

ちょっとマズイかも…。
と感じつつ、オージーが真正面に対峙し声をかけられました。

I'm in trouble... I need your help.
ちょっと困ってて、助けてほしいんだ。

 

当時はまだまだ喋れなかったので、「あー、、、」と発しながら何と言って返そうかと思案していました。

すると、月明りを頼りによくよく見るとそのオージーが目に涙を浮かべて懇願しているのが見て取れました。

What happened?
どうしたんスか?(と、私。)

 

No gas and I locked ********** in my car.
ガス欠で、しかも******を車の中に閉じ込めてしまった。
(残念ながら、***の部分はよく聞き取れませんでした。)

ガス欠ですか。ガソリンスタンドなら直ぐそこにありますけどー。

 

I wanna make a phone call. I need 40 cents.
電話したいので、40セント必要なんだ。

※wanna = want to


なるほど。今聞き取った情報と涙目から察すると、財布や携帯電話しかも鍵までも車の中に閉じ込めてしまった訳ですか。こんな真夜中に。

 

オッケー、フォーティー センツね、と言いながら財布の入ったポケットにに手をやろうとした瞬間、ふと頭を過りました。

 

待てよ、これはもしかして新手のカツアゲ手法かもしれないぞ。こんな真夜中に。

 

いやいや、涙を浮かべるほどだから純粋に困っている人に違いない。

疑う自分を改めさせようとするもう一人の自分との間で葛藤する私。こんな真夜中に。

 

結局はその困ってそうなオージーを信じて20セントコイン2枚をと思ったら持ち合わせていなかったので50セントを渡すことに。

 

「ありがとう!助かるよ!」というようなお礼を言って頂きつつ去り際にそのオージーが一言。

 

Thanks, see you.

 

え!え?何ですと?!「See you」とおっしゃいましたか?

 

名前も連絡先も聞いてないし、次回会うことないですよね??!
えー、この場面で「Good bye」ではなく「See you」なのですか?

 

と、カツアゲではなかったという安堵感も人助けできたという感激もどこへやら。

ただただ SEE YOU が頭の中をグルグル駆け巡ました。こんな真夜中に。

 

 

ーーーそして、数年後にこの疑問は別の形で解消されることになりました。

仕事で海外出張の際に機内で或いは乗り継ぎ待ちの時に話しかけた人達からは別れ際に「See you」と挨拶を何度かされました。

なるほど、次に会う機会が有ろうと無かろうと、See you は別れ際の決まり文句なのですね。納得。

 

え、では、Good bye の出番はいつなのでしょうか?
いいじゃないですか、See youのみで良いってことで。

 

See you.
じゃあね。

See you next time.
またね。

といった感じでしょう。

以下、独り言です

オーストラリアのサーファーズパラダイスという街にバーボンバー(Bourbon Bar)という若者向けのナイトクラブがあります。
ググってみると、私が滞在していた20年前とはすこし雰囲気が変わっているようですが、今でも営業しているようです。

 

私は地方出身で、しかも当時は携帯電話の電波が全く届かないというなかなか辺境の土地に住んでいたものですから、日本国内であっても夜の街へ繰り出したことといえばアメフト部の飲み会くらいでした。

お酒を飲む習慣もなく、出かけたとしても22時頃までには家に帰るという生活習慣でしたので、友人がちょこちょこクラブに誘ってくれるのですが夜9時から出かけるのは本当に億劫でした。

 

しかし、現地で仲良くなった関西出身の友人や知り合ったオーストラリア人数名が度々誘ってくれたこともあって、このクラブに数回通いました。メンバーが良かったので楽しかったです。

上記の話は最後にクラブへ行った時の出来事でした。


そのバーボンバーは、ダンスやテクノ系の音楽で場内の雰囲気はノリノリ、お酒の勢いも相俟ってダンスをかじった程度の人も全く経験のない人も楽しんでいました。

よく流れていた曲を一曲だけ紹介します。


Bomfunk Mc's - Freestyler Official Music Video

 

この曲は当時のオーストラリアで爆発的人気がありました。

宿泊していたバックパッカーズのテレビで流れ始めると「Bonfunkだぞー!」とか「Freestyler始まったよ!」と声を掛け合って集まってきて、ガラガラだったテレビの前がごった返すくらいでした。

皆さんハマっていたんでしょうね。

 

以上